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捨て犬
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今でも時々ふとよみがえる、私の思い出です。
小学校4年生の夏の話・・・
私と仲の良い友達との3人は、今日も公園へ遊びに行きました。
キャーンキャーンとかぼそい犬の鳴き声が聞こえ、
探しに行くと“だれかかってください”と
書かれたダンボールに入れられている子犬を見つけました。
捨て犬だとすぐに分かりました。
とっても可愛い子犬で、私達3人はすぐにその子犬をかいたいと思いました。
一人一人の家へ、犬を飼ってもいいかと子犬をだっこして聞きに廻りました。
どこの家でも答えは同じ、
「何言うてるのん、犬なんか飼えるはずないやんか、捨てとった場所においておいで。」です。
わかっていた答えではあったけど、かわいそうな子犬・・・
誰かが飼ってあげないときっとこのまま死んでしまう・・・
そう思った私達は、もといた公園でどうしょうかと考えていました・・・
子犬を飼ってくれそうな人はぜんぜん現れなくて、
自分達で探しに行こうとまた子犬を抱っこして、
知り合いの家を廻りました。
みんなに断られて、どうしようかと歩いていると、
JR高架下からホームレスのおじさんが私達に声をかけてきた。
「どうしたんや?」
それで私達はおっちゃんに今までのいきさつを話しました。
そしたらそのおっちゃんは
「おっちゃんがここでこおたるわ。」って言ってくれました。
そのおっちゃんの家は高架下のダンボールの家。
4人で、犬の名前を考えて、
結局、茶色だから“チャコ”に決定。
それからは毎日、チャコとおっちゃんに会いに行きました。
給食の残りのパンを持っていったりして、いつもとても楽しかった。
4人でチャコのことを、誰のところに走って行くかなーと遠くから、呼んでみたり。
おっちゃんともいろんな話をした。
「なんで、ダンボールの家にすんでるん?」と聞くと、
おっちゃんは「しゃかいにつかれたんや。」と答えた。
しゃかいって社会?
その頃の私達にはあまりピーンとこなく、
きっと仕事が大変だったんだろうなーと思っていました。
家族もおったけど、今はチャコと二人やっておっちゃんは言ってた。
私達がそのホームレスのおじさんの所へ遊びに行っていることが、親にも知れて、
「行ったらあかん、何があるがわからん。」と言われた。
私達はわかっていた。
いつも私達に誰よりも親切にしてくれるおっちゃん、
何で行ったらあかんのやーと思いながら、親に注意されても、
毎日遊びに行ってた。
すくなくとも私には、いい人か悪い人かは、わかっているつもりでした。
でもある日、いつもの高架下へ行くと、おっちゃんもチャコもいない。
それどころか、ダンボールの家もなくなっていた。
おっちゃんは“ここに住んだらあかん”と、
どこかへ連れて行かれたと 近くの店の人に聞いた。
それっきり、おっちゃんとチャコとは会っていない・・・・
探すことができなかった、おっちゃんとチャコ。
時々、子犬を見ると思い出す。
一緒に遊んだあの日々は、とても楽しかった。
どこへ行ってしまったのだろうか・・・
私達と遊んだあの日々は、おっちゃんにとっても楽しかっただろうか・・・・
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2003.2 |
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